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2012年8月 7日 (火)

更新8/7 邪星章EXストーリー導入部(先行公開)

博麗神社――

邪星異変の難を辛うじて逃れた桜も、最早殆ど葉桜に代わり、春の終わりを静かに、しかし雄弁に告げている。
霊夢と魔理沙、そして咲夜とレミリアの4名は、恐らく今春最後となるであろう花見に興じていた。

霊夢「平和ねー、すっっっごく平和」
魔理沙「ああ平和だな、今度はこいつらがあの新入り吸血鬼と何かやらかすと思ったんだが」
レミリア「ふっ、こんな気持ちの良い春に誰が異変なんか起こすもんか」

日傘の下で寝ぼけ眼を擦りながらレミリアが答えた。
紅魔館の悪魔の長という肩書きからは到底想像出来ない醜態である。

いつもであれば直立不動で日傘持ちを担当する咲夜さえ、時折大きな欠伸を噛み殺しているのが分かった。

咲夜「それにコリン様はお嬢様以上にお身体が弱い。今は落ち着いていらっしゃるけど、あの時はどうしようかと…」
魔理沙「落ち着くと言えば…私達これで良いのか?」
霊夢「何いきなり話しかけて来てるわけ?」
魔理沙「何だか落ち着き過ぎのような気がするぜ」
霊夢「そう? 春と言えばそんな物だと思うけど。でも確かに、何か平和ボケして忘れているような…」

不意に春一番と紛うばかりの突風が4人を襲った。
葉桜が舞い上げられると同時に、何処かから真っ黒い小片が降り、魔理沙の白いエプロンの上に飛来した。

つまみ上げて見たそれは、先日の隕石落下によって燃やされ、炭化した木片であろうと想像がついた。

霊夢「あ、そうだ。そう言えば異教の連中は片付けたけど、結局あの隕石って何だったのかしらね」
魔理沙「ああ、そういや隕石を調べに行く途中で方向転換して忘れてたな」
咲夜「例の預言書では隕石が落ちて水が汚染されるとか。でも、だとしたら森に落ちたのはいささか妙な感じね」

無々夢「先に言っておくが、あれは余の仕業ではないぞ。これでも幻想郷に迷惑をかけんよう自粛して居るのでな」

何時から居たのだろうか。霊夢の背後で賽銭箱に腰をかけながら、甕星無々夢が酒を煽っている。
やけに和装の似合う魔王は、驚く霊夢の反応を見て笑い飛ばすと、満足そうに姿を消した。

レミリア「では、ルシファーでないとしたら誰が? まさか天使の側がそんな真似はしないと思うのだけど」

ようやく彼女達は、未だに異変の全容が明らかとなっていない事の重大さに気付いた。
いかに春とは言え、一体全体どうして今まで、隕石の爪跡を前にこんなに落ち着いていたのだろうか。

示し合わせたわけでもなく、素早く準備を整え、三人は殆ど同時に森に飛び立って行った。

後には途方に暮れるレミリアだけが残った。

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